不動産でかかる税金、ざっくりと骨組みだけ パート2〈登録免許税〉

不動産と税金は切っても切れない関係があります。
所得税や消費税などの身近な税金もありますが、固定資産税や登録免許税など、普段の生活では聞きなれないものもたくさんあります。

各税金の細かな説明は別のサイトにお任せして、ここでは「ざっくりと骨組みだけ」の説明をしたいと思います。

今回は「不動産の税金ざっくりと仕組みだけ」シリーズの第2弾。「登録免許税」です。
これも日常生活ではなかなか聞きなれない税金ですね。
登録免許税は「登記」の際に係る税金です。

まずは簡単に登記について。
登記とは、自分の財産を守るために公に認めてもらう制度のことです。
不動産の購入などの際にする「不動産登記」、会社の設立などの際にする「商業登記」が日常生活やビジネスシーンで登場頻度が多い登記となります。

不動産であれ、車であれ、契約書を取り交わし、お金を支払い、引き渡しを受ければ、文句なしで自分のものになります。
難しく言うと「その不動産や車の所有権というものが売主から買主に移動した」と言えます。
しかし、契約もしてお金も払って引き渡しも受けているのに、実はまだまだ安全とは言えないのです。
普通の感覚では、契約を取り交わしハンコを押した時にはもう自分のものであるイメージですね。少なくとも自分の手元に届いた時点ではもう完全に自分のものであると。
ここで法律や制度を見る際に考えなければならないのは「悪いヤツ」の想定となります。
「ある土地の売買で、もし、売主があなたに売っただけでなく全く別の人にも同じように売っていたら、それは誰のものになるか」という想定ですね。
「ひとつしかないものを2人に売る」というそんな悪いヤツを想定するんです。
ある土地を1000万円で売ろうとして、買いたい人と契約を交わしてお金をもらいました。
そうすると、売り切れと出す前にまた別の人が買いたいと申し込みがありました。
普通の人なら、「すみません、さっき売れたところです」となるところを、悪いヤツは「もう売れてしまったものだけど、売るふりしてお金だけもらって逃げてしまおう、2倍の2000万円の儲けだ」と考えて、ひとつのものを2人同時に売るというワケです。
こういう悪いヤツへの対策として、「登記」が登場します。
悪いヤツのせいで、ひとつの土地を2人が購入している状態になった場合、土地を手に入れられるのは「登記をした者」になるというルールがあります。
登記は自分の権利を登記簿(国が作っている不動産の名簿のようなもの)に記載してもらい、登記簿に書いてある人の権利を公に証明する働きがあります。
つまり、登記をしていれば自分のものであることを正式に国が認めてくれるのです。
不動産のような高額なものを購入した場合、何千万円も出したのに自分のものだと正式に認めてもらえなのでは非常に怖いですよね。
不動産の所有には登記とは切っても切れない関係となります。

登記の話が長くなりましたが、登録免許税とは登記の際に必要な税金です。
登記して正式に権利を証明できるようにするための手続き費用、といったものでしょうか。
具体的には、
マイホームを新築したときなどの「所有権の保存登記」
土地や建物を売買したときなどの「所有権の移転登記」
住宅ローンを組んだときなどの「抵当権の設定登記」
があります。
どれぐらいの額の税金がかかるかというと、
「課税標準額×0.1~2%」というように、土地なのか建物なのか、売買なのか相続なのか、細かに税率が定められています。
※「課税標準額」とは「建築費や購入金額、ローン額を50~70%にした額」であると、まずは大雑把に捉えておけばよいかと思います。その他にも、条件が適合していれば2%を1.5%にする、などという軽減措置もたくさんあります、、、。
例えば、課税評価額1000万円の土地を購入した場合は2%(原則)が登録免許税としてかかりますので、20万円かかります。同様に課税評価額1000万円の建物も一緒に購入すると登録免許税は2%(原則)の20万円かかります。
土地建物で4000万(課税評価額)のマイホームを取得すると、原則として80万円の登録免許税がかかる、というワケです。結構な大きな金額になりますね、、。

不動産の所有を考える際には、税金は超重要です。
細かいことは置いておいて、まずはざっくりと骨組みだけ、概要だけでも把握するようにしましょう。
税金の仕組みでは、「何に対してかかるのか」「何%かかるか」「免除や控除がたくさん」というように複雑になっています。
筆者の個人的な見方からすると、税金の制度は「わざと複雑に」「わざと理解しににく」しているようにも思われます。
何かよく分からないまま税金で取る方が、税金を取る側としては都合がよいのでしょう、、。
不動産にかかる税金も、調べていく内に「複雑すぎて」文句言うだけの気力がなくなり、コンサルタントや税理士に丸投げ。
そんな方も多いのではないでしょうか。
細かい計算は専門家に任せるが良いと思いますが、自分に関わる税金については「ざっくり」だけでも把握しておくのが良いですね。

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